金閣消失(A探偵団3)

不審なビル

山本「消火栓はたくさんあるみたいだ」
原田「この間テレビで放水テストをやってたけど、
 火には完璧に対応してますと言ってた」

木村「私も見たわ。夜には誰一人入られないしね」
高田「雪の日は凍らへんのやろか?」
木村「京都で凍結て、聞いたこと無いね」

高田「そやなあ」
   亜紀と太一、池に棒を突っ込んで遊んでいる。
原田「こらこら、池をかき回したらあかん。鯉が怒るで」

   皆、金閣に近づく。
   山本、じっと金閣の土台を見つめている。

原田「先輩、なにか?」
山本「ふむ、日本の古い建物は、釘を一本も使わずに、
 柱も土台の石の上にただ乗っかってるのが多いが、
 ここは火災で建て替えられてもいるし・・・」

原田「それは大丈夫でしょう。なんなと工夫されてるはずです」
   山本、金閣と建設中のビルを交互にじっと眺めている。

山本「それはないな」
原田「えっ?」
   原田、不審げに山本を見つめる。

○金閣寺、出口
   6人が歩いてくる。
   一番後ろで亜紀と太一が話している。

太一「池をいじってるだけで怒られた」
亜紀「原田さんやろ?」

太一「山本さんも原田さんもあのビルが気になる言うてた」
亜紀「そや、太一、あのビル探検してみよ!」
太一「そうや、原田さんの鼻をあかしてやろう!」

   二人、大きくうなづきあう。
原田「こら、二人とも、早よ来い!」
   二人、舌を出して駆け出す。

○建築中のビル、外、夜
   遠くからビルを目指して歩む太一と亜紀。
   突然、音もなく屋上のクレーンが半回転する。
   二人、驚き止り、顔を見合わせる。

亜紀「いま、動いたよね」
太一「うん」

○同、入り口、夜
   二人、懐中電灯をつけ入り口を入る。

○同、階段、夜
   慎重に上る亜紀と太一。

○同、最上階に上がる天井扉。
   はしごで押し上げ戸になっている。
   太一が上り、少し持ち上げて中を見る。
   太一、驚き、すぐ亜紀と代わる。 
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