だぁーッいすき
角をまがったところで
「と。」
それだけで終わった。
だって
道端で
キスしてんだよ??
智也くんとちぃちゃん。
「ありえない。」
そういって走った。
そうだ。
諦めなきゃ。
まきには
もう彼氏が
いるんだから。
どんなに好きでも
どんなに願っても
叶わないことだって
みんなあるから。
きっと。

―ドンッ
「いたたっ。」
ぶつかっちゃった。
「まき。また泣いて!
もぉ俺らが付き合ってるのかくすのやめよ??」
悠人か。
よかった。
「うん。いーよ。」
もぉなんと思われてもいいから。
「じゃぁお姫様。
僕が鞄を持ってあげます。あと…。」
なんか悪いな。
いつもは反対なんだろうな。
「手をつなぎましょう。
お姫様。」
そういって
手を差し出す。
本当にいい人だな。
「ありがとう。王子様」
周りがこのはなしを聞いていたら
ただの
ばかくらいしか思わないかも知れない。
だけど
まきは
嬉しいの。
「王子様って照れるよ。」
ほっぺが桃色に染まる。
「まきは悠人がすき。」
悠人は顔をまきとは
逆側に向ける。
なんで??
「俺はもっとすき。」
悠人、
ありがとう。
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