俺、弟に襲われます!!短編集
リオ、今頃なにしてんのかな。
あ、授業か。4限ぐらいか?今日の4限は確か英語。しかもちょっとしたテストもあったよな。

自室の無機質な天井を見つめながらぼんやりぼんやりエンドレス。

「…静かだなぁ」




-数時間前-


平凡な朝の起床時刻。
現在高校2年生、新城レオ、絶賛リア充してます。…ちょっと特殊だけど。
いつもの様に身体を起こそうとしたら、そこで違和感。

身体がいう事聞いてくれないんデスケド。
え、なになに、俺なにかに呪われちゃった感じですか。んなわけねぇよな。

身体が動きません。激アツ。身体が焼けるように熱い、的な。いや、まじ冗談抜きで。
寝間着として着用してたジャージが、汗でべっとり。気持ち悪。

ていうか、そろそろ起きて朝ごはん食って、制服に着替えて、とかしないと時間が。この時期の遅刻は受験に響くんだよ。


「お兄ちゃーん?朝ごはん食べないの?」

がちゃ、と音がしてドアが開く。
入ってきたのは言うまでもなくリオで。
リオは俺の状態を見てフリーズしちゃってるし。なんでだよ。


「お、おおおおおおおお兄ちゃん!?どしたの!!?」
「…どもり過ぎ。なんか身体が動かねぇ」

我に返って俺の傍までダッシュしてきたリオは、ひたすらあわあわあわあわ。

俺の額に手を当ててみて勝手にびっくりしてたり、何を勘違いしたのか、本棚の手前に置いてあった絆創膏の箱を持って来たり。

俺はというと、リオの思考回路がパンクしたんじゃないか、って疑ってみたり。


「びょ、病院行かなきゃ!それとも救急車?!な、何番だったけ…。あ、110番だ!」
「ぅおーいリオ!?警察に通報したって意味ないぞ!!?」


危うく通報しそうになったリオを止めて、1階まで手を貸してほしいと相談。(俺の部屋2階だから)
そしたらお安い御用だ、とはりきってくれちゃった。可愛すぎて余計熱が上がった気がする。たぶん気のせい。


よろよろしながらなんとか1階に到着すると、先に食べてた母さんがギョっとして問いただしてくる。

ただでさえ頭痛がするのに、そんな一気に聞かれると脳内に響くんだけど。しかも高音。勘弁してくれ。


母さんの攻撃をかわし朝食をとる。
いつもは平然と食べているはずの香ばしく焼けたベーコンが、何故か食欲を半減させている。
…気のせいだよな。


結果から言うと、全く気のせいじゃなかった。
1口食べてちょっと胃がおかしいかも、と感じ、2口目でゴートゥーザトイレット。

自分でもびっくり。まさかのリバース。さっきのベーコンがちょっと形を残したまま目の前に再び。気持ち悪。本日はやくも2度目の気持ち悪。
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