蓮華〜流レルママニ〜


「今日は時間ピッタリじゃん、流奈〜」

私に気がついた未央が手を振ってお招きする。


「まぁね〜、今日は寝坊するわけにはいかなかったから!」

手荷物を肩にしょいながら、未央の元へと歩み寄る。

「…寝坊はいつでもダメなんですけどぉ?毎回待たされてる人が目の前にいるでしょ!」

今日は、という私の発言に素早く反応し怪訝な表情。

「すんまそん!気をつけます!未央隊長!」

ビシッと背筋を伸ばし、敬礼のポーズでおどけて返す。

「すんまそんって何語よ…?」

某芸人さんのギャグを知らないのか、疑問符を頭にのせ首を傾げる。
ま、知らなくても無理もないけどぉ…


そして…
いつも通り、マック→カラオケ→街を徘徊の2人の王道コースで遊びふけた。


午後7時10分
未央宅にお邪魔する。

外観は純和風で凄くキレイ、私の家とは大違い。実は未央の家に来るのは初めてだから、ちょっと緊張。

「ねぇ、未央の家ってお金持ちだったのぉ?」

その質問に首を傾げて、

「普通だよ〜…桜華に通う生徒は皆、こんなもんじゃない?」

ムカッ。
未央のやつぅ、私の家にも来たことないかもしれないけど、母子家庭っていう環境から、おおよそ想像つくでしょ〜。
ま、悪気はないんだろうし、未央だから何言われようが気にしないけどぉ。


「あら、いらっしゃい。未央の御学友さんかしら?狭いとこですけど、ごゆっくりしていって下さいね」

玄関先から続く長い廊下の奥から、
未央ママ…?の登場。
何で着物なの?何かの行事なの?
年でも明けて、今から初詣に行くかのような格好。


「お母様、今日は葉月さんが泊まりに来るって、この前言ったでしょう?」


…お母様?
未央…、何そのギャップ!?
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