real world

「髪の毛に消しゴムのかすが…」


「うそ!どこーー!?」



ばさばさと髪をはたいてみるがどこにあるのかわからない。


悪戦苦闘していると、





−フワッ−





という感覚がした。不思議に思って顔をあげると悠樹君の顔がまさに目と鼻の先にある。


「ハイ取れた。って花音?顔が赤いよ?風邪ぶり返したのか?」



もう彼には頼らない。


そう決めたはずなのに、どうしてこんなにかき乱されるんだろう。


絶対本人気づいてないよね・・・。


そう思ってちょっと恨みを込めて悠樹君を見る。


その瞬間、



-どごぉ!-



「いってぇぇぇぇ!!!!」



と何だか明らかに暴力的な効果音と悠樹君の悲鳴が響き渡った。


驚いて悠樹君の視線をたどって彼のわき腹を見てみると、



「直人!何するんだよ!痛い!しかもシャー芯の方で突き刺してるし!」



そう、悠樹君のわき腹には、直人のシャーペン(しかも芯の方。)ガ突き刺さっていた。



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