突然現れた王子
1.突然


ほんとに突然だった。

学校から帰ると

いきなり部屋にいたんだから。


「……誰っ!?」


全身真っ白い服を着た同い年ぐらいの男の子が、床に座っていた。

ほんのり茶色に染まった髪、
くりくりとした大きな目に、白い肌。


確実に見覚えはない。


「そっちこそ…誰?」


男の子らしい低い声で、問い返された。


「いや…こっちが聞いてるんだけど。
なんであたしの部屋にいるの?」


ドアに背中を預けて、警戒するように問うあたし。

男はあたりを見渡しながら言った。




< 1 / 209 >

この作品をシェア

pagetop