突然現れた王子
けれど、時間は無情にも過ぎていく。
ケイタの体は、もう肩まで透けていて。
別れが目の前まで迫っていた。
「アユ…俺もう……」
「いやっ………行かないで、ケイタぁ……」
「俺だって行きたくないよ……」
「やだよぉ……離れたくないよっ………」
必死に泣いても、
別れは変わらない。
離れたくないと叫んでも、
ケイタは行ってしまう。
せっかく、ケイタの想いが知れたのに。
離れたくないよ…
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