突然現れた王子
「そろそろ出るか?」
「んー、そうだね」
あたしたちは出掛ける準備をして立ち上がった。
「ケイタ、帽子」
「ん、サンキュー」
一緒に暮らして分かったことは、ケイタはお礼を言う時、
いつも『サンキュー』と言う。
そんなケイタの癖も分かるほど、
あたしたちはとけ込んでいた。
「あっ、そういえば眼鏡もあったんだけどかける?」
「あー…ちょっと貸して」
そう言ってあたしから眼鏡を受け取ると、ケイタはそれをかけた。
眼鏡をかけたケイタは、すごくかっこ良くて。