突然現れた王子
ケイタは心配そうに声をかけてくれた。
強く打った膝が少し痛い。
幸い、特に怪我はなかった。
「立てるか? ほら」
そう言って手を貸してくれるケイタ。
あたしは素直に手のひらを重ねた。
強く引っ張られて、立てることができた。
「怪我ない?」
「うん、大丈夫」
服のホコリを払うあたし。
そして歩き出そうとすると、
ケイタに手を引っ張られた。
「へ?」
「危ないから。こうすれば大丈夫だろ?」