金木犀の散った日〜先生を忘れられなくて〜
「そんな危ないことして、平気なんですか……?」
学校や家の近くなら一緒に居るところを見られても言い訳できるけど……
泊まりで行くような場所で見られたら、確実に私たちの関係がばれてしまう。
「……変装でもしますか」
「先生が……?」
「うん。女装とかどうですか?」
「…………」
冗談なのか真面目なのかわからないけれど、先生の女装姿を想像してみたらお姉さんの顔が出てきてしまった。
こんなときに思い出すなんて……私のばか。
「千秋?女装は冗談です」
「……ですよね、よかった」
「日にちと場所は僕が考えておきます。それと……こんなことを言ったら教師失格もいいところなのですが……」
先生が、ばつが悪そうに言う。
「一泊するのに、ご両親が心配しないような嘘をつけますか?」
……本当に、悪い先生。
でもとっくに「有紗と菜月ちゃんにアリバイをつくってもらう」という作戦を頭の中で思い描いていた私も、悪い生徒だ。
でもいいもん。
先生と一晩居れるのならそれで……
お父さん、お母さん。
ごめんね……