球児に恋して、~春夏秋冬物語~ ‐ゆうき編‐


カキーン!!

一帯に響く金属バットがが弾く音

「「「きゃぁああ!!」」」

4階の教室にいても聞こえる黄色い歓声

校庭ではもうすぐ始まる夏大に向けて朝練が行われていた

「相変わらず落合人気だね~」

「愛…おはよ」

「おはよ、中村」

中学からの友達・須藤愛はため息混じりに言う

その後ろには同じく佐伯瑞希と岡本杏子が続く

「夏になると落合くん輝くからね~…今年なんて特に気合い入ってるもん」

「え?どういうこと瑞希ちゃん?」

「私もゆうきちゃんと落合くんとは小学校から一緒だったんだけど、落合くん夏大に出たいってその頃から言ってたんだよ」

「念願かなって出れるってわけね~」

「でも、本当にがんばってるね落合くん」

「その頑張ってる姿に女子はキュンキュンくるんじゃない?なかむらぁ~?」

「べ、別に…///」

ガラッ!!

「愛!俺も毎日部活で頑張ってるぜ?!」

突如1年の教室に現れるチャラそうな男…愛にお熱な松戸修二先輩

「あー…そうですね(棒)」

「俺に惚れちゃう??」

「いえ」

「ガーン」

「あ、練習終わったみたいよ」

「あれ?落合くんの傍に誰か…あ、隣のクラスの佐倉さんだ」

「え?佐倉さん?そういえば最近佐倉さんって落合に絡むこと多くない?」

「愛は俺に絡んでくれていいんだぜ?」

「先輩、もうややこしいんで帰ってください」

「そ、そんな…泣」

松戸先輩が涙を浮かべて教室を去る

「私も…よく佐倉さんが落合くんと一緒にいるところ見るなぁ」

「マネージャーだからじゃない?」

「それにしたって一緒にいすぎってくらいいるけど?ちょっと中村、やばいんじゃないの?」

「は?べ、別に私関係ないし…」

「もう…ゆうきちゃん素直じゃないんだから!」

「瑞希の言うとおりだよ?そのうち誰かに取られるかもしれないし」

「ふ、2人とも…汗」

「…」

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