禁断のピアノ・レッスン


今日は翔はバイト。


だから慶くんと二人きり。


純粋な目で、私の指導を熱心に聞いてくれるから教えていて楽しい。


「慶くん上手いよ、凄い!」


昔みたいに頭をわしわしと撫でようとした私の手を、慶くんが突然掴んだ。


「お姉さん、僕もう子供じゃないんですよ」


「慶……くん……?」


掴んだ手はそのままで、もう片方の手を私の腰に回して引き寄せる。


「どうして兄ちゃんなんですか?」


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