―奏― 君に捧げる愛の歌
8*―奏―君に捧げる愛の歌



――それから幾つかの季節が過ぎ、


私たちは高校を卒業し、
陽子ちゃんは都内の大学に進学し、佑真は建築関係の仕事に就職した。



みんな、少しずつ大人へと近づいていた――




私は相変わらず、仔犬みたいに俊の傍にいた。



初めこそ、俊の歌を立ち止まって聴いてくれる人はいなかったが、
今では地元では結構有名になり、何十人もの観客が集まるようになった。


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