45歳ですが…
たまには、ちゃんと営んでみる。
夫婦の営みが月1〜2になってからどれくらいになるのか…

元来、そういうことが大好きだったので、家に帰れば可能な限り彼女を誘っていた。
しかし、いつの頃からか、自ら誘っておきながら、彼女が寝室にたどりつく前に寝てしまうようになった。

そうなり始めの頃、なんで起こさないのか?と詰め寄ってもみたが、
「だってあまり気持ち良さそうだったから、悪いと思って…」
などと言われると、返す言葉がない。
もんもんとして一日を過ごし、夜には前日の分もと張り切って寝室で待つが、気がつくと朝日が昇っている…なんて日が繰り返された。
今思うと、彼女は営みをそれ程必要としていないということか。

そんな、体の衰えを受け入れるのに、ずいぶん時間を必要としてしまった。『量より質』そんな簡単なことが解るまで、何年もかかった。その間は、満たされない欲望と、その原因が自らの身体だと言う事実の間で苦しんだらしい。らしい…なぜ『らしい』かと言うと、そういう都合の悪い記憶は比較的早く消えるため、今では、ほとんど覚えていない。しかし、彼女ははっきりと覚えているところをみると、その影響が及んだのだろう。

さて、お互いの雰囲気も良いので久しぶりに、起きているうちに、二人で床に入った。
左腕を彼女の枕にすると、この上なく二人の距離が近くなる。この距離感はとても大切で、会話が一番深まる距離だろう。
会話が、一段落つくと次はゲーム。じゃんけん、しりとり、指相撲…勝負がつけばなんでも良い。要は二人版王様ゲームを始める。
このゲームは少し難しい、だんだん盛り上げるとか、あるときには強引にとか、ノリと勢いとか…そういった駆け引きが一切必要ない、直接的な刺激が欲しければ、そういう指示をすればいいのだが、それはいずれそうなるわけだし、経験上直接的な指示を出すと、次のターンはなくて、そのまま別のモードにスイッチしてしまう。
そうなると、ゲームの存在自体が必要ないことになる。
この王様ゲームは、突き詰めていくと王様が困ることになる。長くイチャイチャするためには必然的に直接的な刺激を要求しない縛りが発生するからだ。
お互い、貴重なその時間を楽しみたいのだが、盛り上がり過ぎてもいけない。
彼女は指示に困ると
「気持ち良くして」
と言う。その判断を丸投げするわけだ。
若い頃はそれを開戦の合図にしたこともあるが、どうも捻りが無い気がしていろいろと考える。今でも一番のヒットだと思うのは、5分間「愛してる」と言い続けるというやつ。これはイロイロな意味で無茶苦茶効く。
面倒くさくなったり、盛り上がり過ぎると、自然に営みに切替わる…
ここから先は、どこの寝室も、あまりかわらないのでは無いだろうか。
しかし、ここまでの時間は、ここから先の営みに大いに影響する。びっくりするくらい影響する。

どのくらいするかと言うと…その営みから数週間、自慰でいかなくなった…解る人は解ると思う。

さて、ちゃんと営むと、不思議なことに、またまた彼女が好きになってしまう。
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