* another sky *

玄関を開けると、憔悴しきった航太が、立っていた。



弱々しく、がっくりと頭を垂れて。



さっき、玲の家に行くからって、言ってたね。


ちゃんと玲と話をするからって。


安心していいよ、って。


大丈夫、だからって。



俺は…。


俺は最低だって。


巻き込んでしまってごめん。


ちゃんと玲に話してくるよ。


時間はかかるかもしれないけど、ちゃんと、話せばわかるからって。



そう。



玲の家に、行って来たのね。



可愛そうに…。



こんなに辛そうな顔を、して…。





私も。



私も、逃げないで、受け止める。




どんな、罰でも受けるから。



あなたと一緒なら、どんな罰でも、平気よ。






だから。






だから。






神様、私に航太をください。







玲、―――。






ごめんなさい。







でも、あなたが航太を思う以上に、







私は航太を、―――。







渡瀬航太を、愛してしまったのよ…。
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