* another sky *

「言いたいことなかったら、黙ってればいいのよ。

怒りたければ、怒ればいいし。

どういうふうになってもフォローするから、ね。」


フォロー、―――?


キョトンとした私に、綾子は、よしよしと頭を撫でる。


「だって、私たち友達じゃん。

玲も麻友理も、私の大切な友達。」


「綾ちゃん…。」


胸が、ぐっと詰まる。


「ずっとね…。

梨花も私も、玲に何もしてあげられなくて、苦しかったの。

玲が連絡くれて、本当によかった。

…また、会えるよね?」


「また一人でどうにかしようとしたら…。

今度こそ、頭、叩いちゃうんだからねっ。」


うん。

うん。


私は頷くことしかできない。

友達って、かけがえのないもの。

私は意地を張って大切なものを失くしてしまうところだった。


「彼氏、紹介しなさいよ。」


「うん。」


強情っぱり。


ちっぽけなプライド。


でも…、そのプライドを捨てられるようになるまで、時間が必要だったことも事実。


こんな私と友達でいてくれて…、本当にありがとう…。

言いにくいことも、ちゃんと話してくれたね。

綾子だって、どれほどの勇気がいったんだろう…。


私は梨花と綾子に感謝した。


確かに衝撃の方が大きかったけれど、私はもう迷わないから。


前に進むって決めたから。
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