* another sky *

「玲は母性に溢れてるって。

実は俺が、玲に守られてるんだってさ。

俺の親とか、兄貴とかに対しての気遣いが、半端ないって褒めてたよ。」


「うそ!!」


「千尋さんも、年下なのに、つい玲に愚痴っちゃうって。

玲、愚痴られたこと、あるの?」


「愚痴っていうか、まぁ、…いろんな、話?」


航太は可笑しそうに、声を立てて笑う。


「人一倍、気を使って、それを感じさせないってさ。

器の大きさが、あの年で半端ないって言ってたよ。」


「そんなこと、ないよ。
だって、航太にはいつも弱いとこばっかり見せてるよ?」


「玲は弱くなんか、ないよ。
ちゃんと自分の考えを持っていて、それを言葉にできるでしょ。

千尋さんに言われて気付いたんだよ。

甘えと弱さは違うって。

だから俺は玲をいっぱい甘やかせたい。

悩みも泣き事も何でも聞いてあげる。

そういうの、俺だけに見せてほしいから。」


「……、航太…。」


「だからさ、他の奴らの前ではにこにこ笑ってな?

俺がしっかり充電してあげるから。」


―――――!!


「玲の思うようにすればいいんだよ。」


「え、―――。」


「麻友理ちゃんはきっと玲の気持ち、わかってる。

玲が自分に配慮してくれてるんだってことも、ちゃんとわかってるよ。

だって、親友なんだろ?」


「……っ。」
< 49 / 769 >

この作品をシェア

pagetop