* another sky *
「で、またここに来たってわけ??」
「だって、綾ちゃん…。」
「っとに…、呆れた。」
「綾ちゃん…。」
そう、ここは綾子の家。
今日もまた、朝早くからお邪魔している。
「日曜日なのよ。ゆっくりしたいのよ?
何で昨日も今日も朝から玲がいるのよ。」
「まあまあ。
玲ちゃんもどうしていいのか、わからないんだろ??」
紺ちゃんはコーヒーの入ったマグカップを私の前に差し出してくれる。
「ありがとう、紺ちゃん…。」
「だいたいね、あんたが悪いのよ!!
この単細胞の玲におかしなことを吹き込むから!」
た、単細胞…?
酷い言われように、私はがっくりと項垂れた。
「俺もまさか玲ちゃんがそのまま言うとは思わなかったって!!」
「もうっ!! 着替えてくるっ。
馬鹿二人で相談しててっ。」
綾子はそう言い残し、リビングから出ていった。
―――――。
「馬鹿、二人…。」
黙ったまま見つめ合う、紺ちゃんと私。
何故か同じタイミングで、溜め息を吐く。
「あ、あの、紺ちゃんが悪いわけじゃないから。
私が…空気読めて、なかっただけ。」
「いや、…玲ちゃんて、…素直、なんだね。」
「それ、皮肉…?」
込み上げてくる笑いを必死に抑えようとする紺ちゃんを、不貞腐れた眼差しで見上げる。