* another sky *

「玲が聞くからじゃん。

でも、玲が嬉しいのなら、俺も嬉しいよ。

こんなことで喜んでくれるなら、全部同じもので揃えてもいいよ。」


―――――。


「そうしよう、ね? 

夫婦茶碗とかお箸とかさ。

パジャマもいいね。」


「何か、ムカつくなあ。」


「買いに行こう。食器って上の階だっけ?」


「行きません!!」


「何で怒るんだよ。

玲にとって初めて、っていうのがいいんじゃん。

俺が初めての相手、なんだよ?

それだけで、すげえ興奮するのに。

玲ちゃんはいろんな事を経験されてるから、なかなか俺に初めてが回ってこないんだよ!!」


訳の分からない屁理屈を聞かされて、玲も思わず吹き出してしまう。


「翼、意味、わかんない。」


「ほら、行くよ。
目に付いたもの、片っ端から揃えてやる。」


手を差し出すと、玲はそれを素直に取り、嬉しそうに笑った。


「携帯のカバーも、お揃いにする。」


「おう、何でも揃えてやる。」


「でも、パジャマは嫌だ。服とかも、嫌。」


「おうおう、他は?」


「傘はお揃いでもいいかな。後は、キーチェーンも。」


「はい、はい。」


玲が喜ぶことは、何でもしてあげられるよ。


だって、俺、玲にメロメロだからね。

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