89×127

日常




―――


あのときの写真は今も大事に持ち歩いてる。


あたしの宝物。



あのあと、お父さんとお母さんに無理を言って、あたし専用のカメラを買ってもらった。

そして、毎日写真を撮った。



お兄さんと同じように。毎日毎日。


あたしは生きている、その証を撮り続けている。



それは退院した今もなお続く、あたしの生き甲斐となった。




「で、その貴公子の顔はいつになったら見せてくれるんだい?」


「何回も言ってるように、お見せできません。」



あれはあたしの大事な思い出。そうやすやすと見せますか。





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