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沈黙が流れる。

ご飯が運ばれてきて、やっと顔を上げることができた。



「渚はいじわるさんだなぁ」

「ちゃんとカルピスもってきてあげたのに?」


「それはありがとう」



コップに刺さったストローをくわえてガジガジと噛み潰す。
小さいころからの悪い癖だ。



「中川少年が一緒にきてたの、たぶん昨日と同じ子だよ」


「…失恋コースまっしぐらってことっすね」


「大丈夫、失恋してもあたしがちゃんと遊んであげるから」


そんなこと言って優しく微笑まれたら涙腺さんが活動を始めそうだよ。




「…好きだったんだけどなぁ」

「中川くんもエグイことするよね。期待のさせ方とか」

「あたしが勝手に一人で盛り上がってただけだよー」

「ひかり、単純馬鹿だからね」

「そうなんっすよ、単純馬鹿なんっす」



優しくされるとコロッと騙されるからなー。

ドッキリとかも簡単にかかるよたぶん。
やられたことないけど。


「まぁ、これを機会に周りに目を向けてみるのもいいと思うよ?あんた今までお兄さんお兄さんで全然周りの人眼中になかったでしょ?」



確かに…お兄さんのことダイスキだったしね。
周りに目もくれずにダイスキだったから。




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