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「…好きなんでしょ?サッカー少年のこと。」


「うん。」



あたしは、中川くんの笑顔に幸せな気持ちをもらった。


運命なんて、聞く人によっては安っぽい言葉かもしれないけど、あたしは初めて見たときの中川くんの笑顔が頭から離れないんだ。

お兄さんの弟だって聞いて、運命を感じちゃったんだ。



「あたしはサッカー少年に会ったことないからなんともいえないけど、話を聞く限りではあんたのその悩みは無意味なんじゃない?

写真、持ってて欲しいって言ってたんでしょ?それって、お兄さんのこと忘れて欲しくないってことじゃん。」



「……そうなのかな。」


「きっと、そうだよ。
忘れたくないのに忘れようとするなんて、お兄さんにもサッカー少年にも失礼。」


渚が笑顔でそう言ってくれると、すごく安心する。


あたしは、中川くんが好きだ。

お兄さんのことも忘れない。




「がんばりな。応援してあげるから。」



柔らかい笑顔を顔に浮かべてそう言い切った親友は、あたしよりとても大人なんだと思う。

いつだってそばで優しく見守ってくれる渚。

渚と友だちになれて本当によかった。





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