彼処にも此処にも
俺は立ち止まり、先を歩いていた笑哉が気づいて立ち止まった。

「栄?」

その声を聞いて心と賢も立ち止まった。凌だけはかわいい女の子を見つけ、その子目指してルンルンで歩いていったが。

俺は戀木明愛が1組というのを忘れていた。名前だけは反復して覚えたが、な。覚えるのはどうも苦手だ。

「戀木。いねぇの?」

俺は女達に声をかけたが、どういったわけか答えてくれず、笑哉が苦笑しながら近づいてきて、同じ質問をした。

「コイキ?がどうかしたのか?」
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