女の子は充血している
じょうずにお歌も歌うから

ある日道端に落ちていた

ドロでかたまった

羽はかちこち

おなかがすいて声もだせない

みにくくよわい小さなあたしを

たいせつそうにだきあげながら

「きれいだね」 って

ほめてくれたの


それからずっと一緒だったわ

水浴びの水

キラキラ飛ばして

はしゃぐあたしを

いつもやさしくみつめていたわ

あのひとあの子に

ふられちゃうまで


みるみるくもる目を

籠の中

見ていた

あたしなんにもできないの?

きれいに羽をつくろってるのに

もうほめてもくれないの?

水浴びの水が

かなしくにごる


じょうずにおうたもうたうから

ごはんにフンも二度としないわ

あなたがおしえてくれないと

なぐさめさえも

言えないのに


ある日部屋の隅落ちていた

あの日のあたしみたいなあなた

「きれいだね」って言った笑顔で

一言しゃべって

うごかなくなった


小鳥、最初におぼえた言葉が

あのひとが言った

「さようなら」だった



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