Vampire's Moral

6  ~俊秀Side 灰緑から赤~






壁にかかった針時計には、デジタルで“9月12日 Sat”と表示されていた。
俺・下野俊秀は、一つ向こうのテーブルの席に、北高の制服を着る女が座るのを見ていた。



今日は土曜日、学校は休み。
俺は、幼なじみであり彼女でもある上野江梨子(ウエノ エリコ)と、図書館に勉強デートに来ている。
江梨子が交通事故で意識が戻らなかったのと、それを治した副作用で俺の目が見えなくなっていたから、俺達は周りより頑張って受験勉強しなくちゃいけなかった。


幾つも並んでいるテーブルには俺達みたいに私服の人もいるけど、制服を着ている人も少なくはない。
さっき座るのが見えた北高の人もそうだけど、その髪の色と目の色の所為で、無駄に目立っていた。
灰緑色の髪は染めれば有り得ると思うけど、目の色まで灰緑なのは珍しいんじゃないか。


横の席で江梨子が、“うーん”と伸びをするのが分かった。





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