ポチ【TABOO】
 約束の日。場所は公園。――の筈だった。でも、生憎の雨模様。
 ポチに電話をすると、締切があるからどうしても今日が良い。うちに来てほしいけど、それがだめなら先輩の家じゃダメですか? と必死に食い下がってきた。


 強引さに折れて、ポチのアパートに来てしまった。
「いらっしゃい、先輩」
 人懐っこい笑顔。
「でも、私写真のモデルになんて向いてないと思うよ」
 躊躇う私に、ポチはふうわり笑う。
「向いて無くてもいいんです、俺の言うとおりにしてくれれば、ね?」
 ポチの上目遣いには魔力がある。何故か断れなくなってしまうのだ。
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