†狼BOY×赤ずきんGIRL†



……………幸。




『兄貴…………』



刹那は私の上から退いた。


『何やってんのか聞いてんの?………』


幸、いつもよりすごく声のトーンが低い。

怖い……………




『若菜も何してるわけ?顔が同じだったら誰でもいいわけ?』



『ちがッ!!…………』
『若菜は関係ない………俺が勝手に押し倒した。』 


刹那が私をかばった。



『なんでお前が言い訳するわけ?お前らデキてんの?マジあり得ない』



幸がキレてる………
謝らなきゃ……



『ごめん…………でも、刹那とは何もないから……』


『謝るなよ………惨めじゃん……』



『兄貴ごめん…………もう手出さないから若菜をこれ以上責めないで……』



刹那……………




『……だから………万年片思い……なんだよ……』




『っさい。………どうせ俺の恋は奇跡でも起きない限り叶わないよ………』



刹那は淋しそうに呟き、部屋を出た。





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