孤独な姫と1人の王子

君との距離

郁斗Side>>





今日もダメ…か…。



若い頃モデルをしていた父親のおかげで、俺の顔は周りの奴より多少整ってるらしく最近はひっきりなしに告白されるようになった。



毎日のように彼女のことを目で追ってる俺は、自分でも驚くほど奥手で未だ彼女に話しかけられていない。




「なあ、郁斗。お前最近いっつもあの地味な女見てね?」



いきなり現れた海にそんなことを言われた俺は驚いて立ち上がってしまった。



「みっ、見てねえよ!」


「はぁ〜ん??お前、あいつに恋してるだろ」




恋?


俺が?


一度しか話したことない相手に、俺が恋?




「あ、お前顔で何考えてるのかバレバレな。そうだよな〜、郁斗昔から奥手だもんな〜。

よしっ!俺があいつの名前聞いてきてやる!」



光のような速さで飛んで行った海を、俺は頭を抱えながら見送った。





...>>
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