魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





「凛先輩っ!」

「紗枝ちゃん…」





白い建物から出てきた紗枝は凛に抱き着く。


行き交う人の邪魔になるとか考える余裕もなく凛は紗枝を抱き締めた。





「大丈夫?」

「…っは、い。」





顔面蒼白の紗枝を支えながら歩き出す。しかし顔色が悪いのは凛も同じだった。





「……とりあえず、あのカフェに入ろっか。」





適当に目に付いた喫茶店を指差す。特に反論するわけでもなく紗枝はゆっくりと頷いた。あまり反応を見せない紗枝を凛は心配そうに見つめる。


そして紗枝が出てきた白い建物をチラッと見てから眉を顰めた。


真っ白い建物。それは…


【 市 立 病 院 】



< 167 / 317 >

この作品をシェア

pagetop