魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
「それで、紗枝ちゃんが、」
言いづらそうに言葉を繋げていく。
今朝も、ツインテールを揺らした紗枝に言われた。『怖じ気づいて逃げたんでしょうか。』と。
“誰か”を探す紗枝に、そう言われた。
その言葉に、凛は肩を竦めた。
何が言いたいのか分かるようで、分からない。分かりたくなくて、気付きたくないと思った。
「――――凛?」
「あっ、ゴメン、」
深く考え過ぎて黙ってしまった凛の名前を捺が呼ぶ。