魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
照れ隠しに鼻をかむ凛に、
目を細めた幹久は言う。
「アイツには隙を見せるな。」
いきなり声のトーンが変わった幹久に、凛はビクッとした。真面目な瞳に空気がビリリと揺れる。
ただならぬ雰囲気を感じて、凛も真面目な顔付きに変える。
「アイツって…?」
「紗枝の事だ。」
凛は僅かに眉根を寄せる。
何故この状況で紗枝の名前が出てくるのか。そして何故紗枝に気を付ける必要があるのか。
凛にとって紗枝は可愛い後輩で、その忠告は意味が分からなかった。