魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





「(―――――そう言うことか。邪魔者ってあの人の事なんだね。紗枝ちゃんでも真葵でも捺君でも幹久先輩でもなくフードの人のこと。皆はあの人を消すために手を組んだ、の?)」





辻褄が合ってきた。


それと同時にやはり“誰か”は“複数”だったことが判明した。瓶も手紙も体操服も。全部。全部。全部。“1人じゃない”ことは凛にとって衝撃的だった。


多方面から監視されていたのかと凛は眩暈がした。“1人じゃない”からこそ誤解とズレが生じる。


しかしこれは何も手を組んだ訳ではない。ただの偶然だ。あくまでタイミングが悪く、凛に襲う恐怖が重なっただけ。
< 291 / 317 >

この作品をシェア

pagetop