オトシモノ~君が零した星屑~


黙って私を抱きしめる土方に、続けて言葉を紡いだ。



「泉箕が、私に本当の事を言おうとしないのって、私の為?」


「・・・・・あいつは、おめぇに笑ってて欲しかっただけなんだよ」



私を立ち上がらせ、傘を拾いながら土方は返事をする。


その言葉に、やっぱり、とどこか納得している自分がいた。


あんな風にやつれて、消えていく。


私を拾った時から、分かっていた事なのだろうか。


分かっていたとしたら――――



「泉箕、やっぱり馬鹿だね」



泣き笑いの表情で、私は笑いながら言う。


< 347 / 466 >

この作品をシェア

pagetop