オトシモノ~君が零した星屑~
「千歳は、おめぇの事が本当に大切なんだな」
そう言った土方の顔は、笑ったのか泣きそうになっているのか。
微妙な所で、歪んでしまっていた。
千歳を見る目も、俺を見る目も、何かを堪えているようだった。
『・・・・・明日辺りで、俺は“還る”』
そう、三人に向かって言った瞬間、ふと手に温もりを感じた。
色白で、でもしっかりとした力強さで握っているのは、沖田の手だった。
――――最初で、最後なのだろうな。
こうして、引き止めてもらうのも、寂寥の思いで手を握られるのも。