きみと風になる
彼氏がいるのにマラソンで……
『いつ見ても、きれいなフォーム――……』

ここは、放課後の空き教室。
彼氏の智也に後ろから責められながら、黙々とグラウンドを走り続けている村上を目で追う。

ひと目惚れだった。
いつかあのフォームを自分のものにしたいと思い続けて2年近く。

「や、だめ……っ!」

智也が腰の律動を早めると同時に私の濡れた蕾を刺激したから、自分の意思とは別に、体が上り詰める。

一瞬、空を見上げた村上と目が合った気がして心臓が飛び跳ねたけど、何食わぬ顔でクーリングダウンに戻った彼に、単なる思い過ごしかと胸を撫で下ろす。
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