雨が降る日は誰か死ぬ
「お姉ちゃんがぁああ」


桜が泣き顔で訴えると、一人の若い男が飛び込んできて捜し始める。


「どこだ?」


振り向いた男に、桜は姉が沈んだ辺りを指差すことしか出来なかった。



「いたぞ!」


男は水の中に沈んだ茜を抱え上げると、丘の上にいる人たちに託す。


茜はそのまま引き上げられたけど、すでに呼吸をしていなかった。

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