雨が降る日は誰か死ぬ
幽霊を間近で見た瑞貴は、パニックを起こしていた。


さっき香奈から、幽霊が狙っているのは佑香だけだから、私たちは大丈夫なはずって言われていたけど、

実際に見てしまったら、そんなことは頭の中から、綺麗サッパリ消えてしまっていたのだ。

どこまで逃げれば良いのかさえ分からないまま逃げて、気がつけば学校まで帰って来ていた。


毎日部活で走っているけど、こんなに長距離を全力疾走したことはない。


とりあえず雨に濡れない場所まで来て、初めて瑞貴は来た道を振り返った。

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