【TABOO】本棚の向こう側
「へぇ……。本棚って意外に向こうがみえないんだ……」
「専門書のコーナーは特にね。大型本がびっしり並ぶと壁だよね」
あたしの独り言に、返事があった。
驚いて振り返るとお隣の子……貴弘くんがいた。
近所の進学校の制服を着た彼は、いつのまにかイケメンに育っていた。
「貴弘くん、学校は?」
「このシーズン、三年生はほとんど学校休みだよ。ユカさんのときもそうだったでしょ?」
ああ、そうだった。
「ユカさんは? 大学サボってデート?」
「今日は講義がお休みなのよ。教授が学会なんだって」
「……彼氏は忙しそうだね」
「卒業前の、口頭試問が近いから大変みたいよ?」

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