それでも、愛していいですか。

「いい感じのお店だね、ここ。こんなお店知らなかった」

「大学の連れに教えてもらったんだ。女の子が喜びそうなお店なんて、俺、わかんないし」

「わざわざリサーチしてくれたんだ」

「今日はお祝いだからね」

孝太郎は口角を少しあげて、にんまりと笑う。

加菜は頬を少し赤く染めた。

「さ、なに食べる?」

メニューを加菜の前に差し出すと。

「なににしよう。どれもおいしそうだなぁ」

メニューをパラパラとめくりながら、真剣に悩んでいる。

「今日はなんでも好きなもの食べなよ。俺のおごりだから」

「えっ、でも」

「遠慮しないで大丈夫。お祝い、このくらいのことしかできないからさ」

孝太郎は目を細める。

「ありがとう。やったぁ。わ~い、なににしよ~」

加菜はさっきより真剣にメニューを眺めている。

その様子を孝太郎はじっと眺めていた。

加菜は、メニューをめくったかと思えば、また元のページに戻っては見比べ、「どっちにしよう」と悩んでいる。

その様子がかわいくて、孝太郎は微笑んでしまった。

< 106 / 303 >

この作品をシェア

pagetop