それでも、愛していいですか。

愚か者




なんで?

どうして?

やだ。

やだやだやだ。

わかんないよ。

奈緒は玄関先でしゃがみこみ、手で顔を覆った。

見られちゃった。

キスされたところ……。

ショックが大きすぎて、胸がずきずきと痛む。

見られたくなかった……。

涙が溢れて止まらない。

……どうして、ここにいたの?

先生……どうして?

約束破ったのは先生なのに。

どうして?

なにも声をかけてくれなかったの?

もう、わかんない。

わかんない。

やだやだやだ!

しゃくりあげ、うまく息ができなかった。

< 254 / 303 >

この作品をシェア

pagetop