それでも、愛していいですか。
「奈緒ちゃんとうまくいってるんですね」
君島の言葉に少し照れたが、
「ええ」
とだけ答えた。
「奈緒ちゃんにしてみれば、せっかく両思いになれたのに、離れ離れになってしまって、不安でしょうね。阿久津先生のイケメン度、アップしてるし」
君島は腕を組んで背もたれに身を預けた。
「大丈夫です」
阿久津はきっぱりと言った。
「え?」
「俺たちは、大丈夫ですよ」
そう言うと、阿久津は、にんまり笑った。
fin