イジワル王子の溺愛



あの頃に戻ってしまったんじゃないかと思った


頭が真っ白になって何も聞こえなくなった


「でもそんな大げさじゃなくて、充くんとか周りの人達に支えられてね、なんとか倒れずには済んだみたいなんだけど…って聞いてる?」


「どこ!?翼はどこにいるの!?」


「…え?あ、たぶん保健室だと思うけど…」


「先生にはなんとか言っておいて!あたし行ってくるから」


「えっ、が、頑張ってっ!」


ありがとう、あゆ美


あゆ美のエールを受けてあたしは走り出した

ううん違う

気づいたら走り出してた


翼に何かあったら、あたしー…きっと生きていけないよ




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