イジワル王子の溺愛



呆れた声が聞こえたけどそんなの関係ない


俺は今幸せに囲まれてんだよ


「やべぇ、キスしたい」

「はっ?」


「キスしていいか?」


じっと椎香を見つめる


今までそんなこと聞いたことなかったけど、両思いのキスはなんだか緊張する


まぁ嫌って言ってもするんだけど


「……う、い、いいよっ」


なんだよ素直だな


じゃ、遠慮なく


「いただきます。」


そっと触れるだけのキスをして、優しく椎香を抱きしめる


「…椎香」


「ん?」


「幸せだな」


日常のなかでやっと見つけた、一粒の小さな光


もうすぐ街に、雪が舞う


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