恋の境界線
恋の境界線
 目の前で悪魔みたいに微笑んでいるのは私の弟。
 裕理という彼の名前は私の継母がつけたそうだ。

 そう……私たちは血が繋がっていない。

 そんな彼が自宅にいる時は私を下の名前で呼んで怪しげに誘ってくる。

「何で避けるんだよ、里香」

 ワイン色に染めた髪が彼の白い肌に妙に映えている。
 こうやって見ていても、彼は魅力的だと思う。

(避けてるわけじゃないよ……でも……)

 高校を卒業してから、突然『男』を感じさせるこの弟に私は悩まされている。

「私には彼氏いるって言ってるじゃない」

 とりあえず毎日言っている事を口にしてみる。

 こんな事で裕理が黙って引くはずがないのが分かりながら……。
< 1 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop