調○彼女

昼休み

私は翌日朝から挙動不審だった…

心臓がバカみたいに早打ちしまくって死にそうです…

その失敗といえば、集めたノートはぶちまかす、日にちは10月なのに5月と黒板に書く、職員室では指を挟める、体育では側溝に落ちる…
……私、何やってるんだろう…

清純可憐な乙女を演じなければならないのに…

きとすという字を見ただけで心臓は3倍速。
だって、昨日の…アレは、テレビでやってる学園ドラマの爽やかな感じではなく、外国映画のソレに匹敵するんですよ!?濃厚だったんですよ!?

あー、この世にある全てのグレープ味よ、さようなら…

私は俯いて食堂の窓際にすわり、A定食を見つめていた…

「どうしたの?今日変だよ?」

私が唯一可憐な乙女ではないと知る、親友の凜(りん)が、B定食を持って向かいに座った。

「…うん…」

凜は私の素を知っているけど、本当のダークな部分は知らない。それでも私にはありがたい存在だった。

「凜ってさ、5年の先輩と付き合ってるんだよね?」

「そうだよ〜、どうしたの?急に?」

凜は美味しそうに唐揚げを頬張った

「…キスもしたんだよね?」
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