3度目の結婚
そして付き合って、2年たった頃、私からプロポーズした。

隆は驚いていたが、お互い仕事を理解していたし、束縛も
なかったのがよかったらしく、結婚を承諾してくれた。

結婚生活は、本当に世間一般の夫婦生活とは程遠い生活だった。

結婚したからって、私が料理や洗濯などできるはずがなく
独身時代と同じように、家政婦さんを雇った。

だからお互い時間が合う時の食事は、ほとんど外食だった。

だからお互い、夫婦というよりは、ただ同じマンションに
住んでいるだけで、付き合っていた時と何も変わらなかった。

結婚してから2年目に、私に転機が訪れた。

卒業した大学の教授から、アメリカへ行かないかと勧められた。

私の書いた論文が、向こう学会で評判になり、是非アメリカに
来ないかと・・・・。

随分迷ったが、私はアメリカへ行くことにした。

隆とは、ほとんど夫婦生活もなく、本当に結婚しているのか
と思うほど、すれ違っていたので、離婚を切り出し承諾してくれた。

今から8年前のことである。

アメリカへ渡っての8年は、とても充実していた。

その間、何人かとも付き合ったが、どうしても隆と比べてしまい
結局長続きせず、いつも駄目になった。

同僚でもあり、友人でもあったキャサリンは、私の心の奥に
『綾の中に、まだ隆がいるからうまくいかないんだよ』
と、別れるたびに言われた。

そのキャサリンが、昨年、子宮がんを患い、子宮を全摘してしまった。

同い年のキャサリンが、癌を患ったことだけでもショックだったのに
それも子宮全摘は、かなりのダメージを与え、私の中で
何かが音を立てて崩れたようだった。
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