記憶の欠片
「――っ!」
そんな事を思いよったら
突然頭がズキリと痛くなって
つい指輪を落としてしまう。
しばらく痛みに耐えよったら
スッと痛みは消えた。
何やねん、今の。
「……明日琉樹にでも聞くか」
けど何となく指輪に触ったら
また頭痛がしそうで怖くなった俺は
指輪を拾い上げて
机の隅に置いておいた。
隅に追いやられた指輪は
窓から入る光を受けて
どこか物悲しそうに
鈍い光を放っとった。
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