夢を見る
 母が散々受けた暴行で、自殺までしてしまった結果は、実に重いからである。


 到底許されないと思っていた。


 まあ、それだけ何の反省の色も示さないところが、いかにも人格破綻者であることを想起させるのだけれど……。


 日曜の夜、彼があたしの部屋を出る前に、


「友里、考え過ぎちゃダメだよ。何事も程々にね」


 と言ってきた。


「うん、分かってる。メンタル面では疲れてるけど、何とか大丈夫よ」


「夜は出来るだけ多く睡眠取ってね」


「ええ。……雄哉もお仕事頑張って。また朝晩二回メール打つから。じゃあね」


 そう言って、玄関の扉を閉める。


 そして買っていたアルコールフリーの缶ビールを冷蔵庫から一缶取り出し、プルトップを捻り開けて呷った。


 日曜の夜は過ぎていく。
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