夢を見る
 それが持ち味だった。


 雄哉に言わせれば、無駄な努力など何一つとしてないという。


 あたしの方が、見習いたいと思っているぐらいだった。


 彼の凄さを。


 そして年齢を経ると共に、着実に力を付けて行っている逞しさを。


 ゆっくりし続ける。


 土曜が終わり、日曜になって、朝起き出した。


 キッチンに立ち、コーヒーを二杯ホットで淹れる。


 そして片方に蓋をし、ゆっくりとキッチンの中を回り始めた。


 朝何気ない感じで、キッチンの端から端を往復するのだ。


 別に抵抗はない。


 単なるちょっとした運動である。


 普段ずっと座りっぱなしで、運動不足気味だった。
< 643 / 815 >

この作品をシェア

pagetop