夢を見る
第12章
     12
 四月に入ると、また仕事が増えた。


 あたしも言いようのない倦怠を感じていたのである。


 春だから、尚更感じていた。


 ずっとパソコンのキーを叩きながら、あれこれ考え続けている。


 心ここに非ずと言った感じだ。


 だけど、それが人間なのだった。


 あたしもずっと、取り留めのないことを考えている。


 まあ、春というのは幾分気を病む季節ではあったのだけれど……。


 でも、何とかなっていた。


「主任、考え事でも?」


 突然、部下の玉木(たまき)がそんなことを言い出す。


「いえ。何でもないわ」
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